朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第30回2016/5/19

 迷亭の話は、なんともあきれた作り話だ。しかし、全ての物語の根本は作り話だということもできよう。
 迷亭のうそを承知していながら、寒月も話を作るようだ。

 猫はうそをつかない。
 なぜか。
 猫は言葉を使わないから。