朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第32回2016/5/23

 寒月の話は、なんともたわいのない結末だった。
 迷亭の場合は、話のはじめから嘘が見えていたが、寒月の場合は話の前半は真実味があった。
 苦沙弥の話は後半に入っても真実味がある。
 この三人の話をそれぞれ短編小説とするなら、小説創作の方法論の題材になりそうだ。