朝日新聞連載小説『吾輩は猫である』夏目漱石第44回2016/6/9

 寒月の演説は、本当に行われたものと書かれている。苦紗弥と迷亭をだますための架空の話ではなかった。
 苦紗弥と迷亭は、寒月の話す内容の枝葉の部分だけをおもしろがっている。
 私も、寒月の演説の内容で、興味を感ずるとすれば、この二人と変わらない。

 「吾輩」も、寒月の話の内容についてはよいとも悪いともしていない。ただ、聞き手が話の本筋を理解しないのにいろいろと注文をつけることに、批判的だ。