朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第437回2016/6/23

 借金取りではなかった。
 佳菜子に関係がある人物らしい。432回で書いた「ますます重要な登場人物となった佳菜子の謎につつまれたままの来歴。」が明らかになるのだろうか。


 小説の先のストーリーを推理して、その推理を覆す展開を読ませてくれる。これぞ、エンタテイメントという感じをもつ。

 もし、進藤の知り合いの弁護士なら佳菜子に害をするような人ではないはずだが。


 この小説の食べ物では、カレーライスに続いて蕎麦が前回出てきた。私の年齢になると、珍しいものよりも、カレーや蕎麦が一番だ。それに、ペーパードリップのコーヒー。なぜ、珍しいものやプロが作る手の込んだ料理よりも、毎日食べるものの方がよくなるのだろう。不思議だ。
 広岡は、ホテルの経営者だ。それに、アメリカ暮らしが長い。それなのに、カレーライスや蕎麦をうまく作る設定に違和感はない。