朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第440回2016/6/26

 佳菜子が何かにおびえている様子は今まで描かれていない。また、暗い過去を背負っている風も見せていない。だが、彼女の話からは家族や友人について一切出てこないだけでなく、子供の頃の家庭での生活が感じられない。

それは、単に若い女性が都会で暮らすことによって生ずる危険、といったものとは本質的に異なるものから佳菜子を守る必要があると(略)

 広岡のこの推測と、宇佐見の「一緒に暮らす人たち」の言葉が手掛かりになりそうだ。

 この章で、佳菜子のことが明かされるとすれば、それはどこかで翔吾と大塚の対戦にも関連してくるのではないか?いや、それは私の勘ぐりか‥‥