半年間のマレーシア留学から帰国した理有は、大学生活に戻り就職活動を始めようとしている。しかし、マレーシアで住み続けたかったという思いを今も持っている。
 半年ぶりに美容室で髪をカットし、買い物をした理有は、飾られていたベスティのぬいぐるみが気になって、ある喫茶店に入った。その店の若い男の店員は、そのぬいぐるみを好きだと言う。
 ベスティのぬいぐるみは、理有にとって母の思い出につながる。記憶の中の母は、モノトーンの物しか身の回りに置かないのに、気持ちの悪いぬいぐるみを愛していた。