朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第23回2016/9/24

 母、杏、光也に「とてつもない距離を感じる」理有は、杏からも光也からも好かれている。そして、自分では光也の生き方を否定しながら、光也に強い興味を持っている。
 理有の多面性だろう。母を激しく嫌悪しているが、母へは反発と嫌悪だけでないものがあるはずだ。

 理有は、光也の問いかけ「いいお母さんじゃなかったの?」に言葉ではまだ答えていない。
 会話はどう発展するのだろう?
 光也は、同じぬいぐるみを収集する理有の母の気持ちを察するのだろうか?
 それとも、自分の「いいお母さん」のことを話し始めるのか?


 子どもの作ったご飯をいつもおいしく感じ、子どものどんな絵や作文にも感動して、子どもの友達やその親と心から親しくする。そういうお母さんは、「いいお母さん」には違いはないのだが‥‥