朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第29回2016/9/30

 挿絵の杏の手は、気力を失った人の手のようにダラリとしている。晴臣の手は、強引で支配欲に満ちているように見える。
 
(略)その乱暴さと弱さのコンボに母親や祖母、シッターまでもが心を奪われたせいかもしれない。

 これが、晴臣の本質なのだろう。だとすると、晴臣の次の行動は不穏なものだ。
 ストーリーが大きく動くと予想する。しかも、杏にとっては不幸な方向へ。


そもそも人は何のために恋愛をしているんだろう。決して不完全性を克服できないなら、全ての人にとって恋愛は暇つぶし、逃避でしかないんじゃないだろうか。でも、私にとって人生がそれ以上の意味を持ったことがあっただろうか。

 ここでも、結論が出てきた。結論というよりは、この作品にとっての命題のひとつだろう。