朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第50回2016/10/22

 人前で、特に杏に見せている理有の冷静さが、表面だけのものであることを感じる。
 理有は、母から抜け出せていない。
 「なんか久しぶりに人の手料理食べて」(48回)と、今まで味わっていなかったものを感じたばかりなのに、母のことを突き付けられてしまった。

 姉妹の母のことが明かされた。中城ユリカ、人気のあった小説家だ。

 それにしても、理有のこの帰り方は光也にも光也の叔母にも不快な思いをさせると思う。光也は、理有が母の話題で激しく動揺したからだと考えるだろうか?