朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第54回2016/10/26

 杏は、晴臣からに迫られて付き合いだした。理由は、まだ明かされていないが、晴臣が死の直前までいったことによって仲を深めた。
 理有が、光也と知り合うきっかけになったのは、母にまつわるぬいぐるみだった。そして、光也から逃げ出したのは彼が母の著作の読者であることだった。
 理有が、広岡さんに特別な思いを持っているとすると、彼のシニカルなものの見方だと思う。でも、そのシニカルなものの見方は、母に似ていると思う。

 姉妹が、それぞれ好意をもつ男性には、どこかに母にまつわるものが見え隠れする。

 広岡さんが、理有の家族のことや理有が髪型を変えない理由などに立ち入らなければ、理有は彼に惹かれていくように思う。彼に、家族があろうとも。