朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第83回2016/11/25
 
 杏は、三日間行方をくらましているようだ。パリの父に連絡を取ってもいないだろう。


 理有本人から彼女の内面が語られている。

足を踏み出し続けていないと、その場で静止した私が端々から粒になってばらばらに飛び散ってしまいそうな気がした。私は歩き続けた。足が折れても、ミイラになっても、私は歩き続けるような気がした。


 理有にとっての逃げ場は、マレーシアだった。そして、日々を送るためには、きちんきちんと行動することが必要だったと思う。
 杏にとっての逃げ場は、晴臣だった。そして、日々を送るためには、無軌道に遊び回ることが必要だったと思う。


 理有と光也の関係はどうなっているのだろうか?
 杏は、誰とどこにいるのだろうか?