朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第115回2016/12/28

 私は、次のように思う。
 理有がパパとスカイプで話していたことは、理有の幻想だった。
 母の死因については、杏の回想が真実に近い。ただし、杏の幻想の部分があるかもしれない。
 パパは、亡くなっている。そして、なぜか父の死も周囲には秘密になっている。高橋は理有に尋ねている。

「理有さん、お父さんとは連絡を取っていますか?」(87回)

 44回の記事で、私は次のように書いた。

 作中の現在から時系列を遡ると、以下のようになるのか。
①理有が留学のため日本を出たのは半年前。 ※マレーシアに半年いて帰国して現在。
②ママの死が二年前。 ※ママの死から一年半が経った頃、マレーシアに。(42回)
③父が出て行ったのが六年前。 ※本文から逆算すると、母の自殺の四年前。

 
これが正しいとすると、父の死は、父が出て行ってから母の死の間だろう。
 広岡は、杏に次のようにも話していた。

「四年前の、夏頃かな、初めて来た時か、少なくとも二回目とか三回目の時、母親は二年前に肺癌で死んだって話してた。(略)」(104回)

 これが、父の死のヒントになるかもしれない。

 ここまで、考えてみたが、疑問は膨らむ一方だ。