朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ最終回2016/12/30

 静かで、それでいながら強い理有が戻ってきて安心した。元気で弱虫で、それでいながらしたたかな杏も戻ってきた。
 姉妹は、それぞれのやり方で、両親の死を受け容れた。姉妹は、母ユリカの「奴隷」ではなくなった。
 理有は、もう杏の「保護者」ではない。杏も、理有とは距離をもつことができたのであろう。

私はもう、杏という存在に惑わされず、ママという存在に惑わされず、パパという存在にも惑わされず、日々を送ることが出来るだろう。

 
最終回の文章は、簡潔できれいだ。
 私とは年齢の違う人間について考えることのできる作品だった。年齢は違う作中人物たちだったが、私も今を生きているので、私自身のことも新たな視点から考えることができた。