朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第4回2017/1/27
第1話 えりちゃんの復活④

あらすじ
 ヨシミが目を止めた男性は、初対面のヨシミを宅飲みに誘った男だった。それは、鶚が不甲斐ない負け方をした日、おかしくなっていたヨシミが自分から声をかけた鶚のサポーターの男だった。でも、結局ヨシミは、その男の誘いには乗らなかった。
 スタジアムの喧騒の中で、ヨシミは、えりちゃんに、鶚が情けない試合をするたびに別の気晴らしを始めたことと、その男にもついていきかけたことを話した。
 えりちゃんは、自分が大学に行けなくなったのは、えりちゃんの友人が、えりちゃんの彼氏とできちゃったことを相談しているのを聞いたのが、きっかけになったことを話した。
 オスプレイ嵐山(鶚)と富士の試合が始まったが、観ていてじりじりするような内容になっていった。

感想
 サッカーに限らず、何かの競技でチームなりプレイヤーなりを真剣に応援したことがないので、不甲斐ない試合にイライラするなら、そのチームを応援することを止めればよいのにと思う。
 でも、応援するチームにイライラするのも効用があるのかもしれない。チームのことに腹を立てている間は、自分に降りかかってくるストレスを忘れられるかもしれない。
 また、えりちゃんは、応援するチームや選手のプレイに魅力を感じているわけではなさそうだ。選手のプライベートや、スタジアムの開放的な雰囲気に魅力を感じているようだ。
 もし、どちらかのチームが劇的な勝利を収めたら、この二人はどう反応するのだろうか。勝った方が喜び、負けた方が悔しがるのだろうか。