朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第35回2017/2/5

 権五郎は宮地の組員に撃たれたと思っていれば、敵は、撃った組員であり、それを指図した宮地の親分だ。宮地組は解散していても、宮地の元大親分は生きている。
 徳次が敵討ちと言っているのは、権五郎を撃った組員と親分を指しているのだろう。
 喜久雄の考えは違うようだ。
 
 挿絵には、ストーブに手をかざす喜久雄と徳次の手が描かれている。そして、徳治のものだと思われる膝を別の誰かの手が抑えている。これは、何かを暗示している。