朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第63回2017/3/6

昨夜、番頭の多野源吉にラーメンをご馳走(ちそう)になったあと、どこかの御屋敷町に着いたのが朝の五時まえ、(略)

 早朝四時に大阪駅に着き(61回)、ラーメンをご馳走になり、半二郎の屋敷に入って、寝てしまった。初めての家に来たにしては、妙なすべり出しだ。
 徳次は、他人の家の生活に慣れているが、喜久雄は今まで他人の家の経験はないだろう。
 この家の朝がこれから始まるようだ。果たして、二人に朝ごはんは準備されているだろうか?