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感想その2

 圭太は、高校に入ってからも、一家で泉大津を応援することに特別不満を感じているわけではなかった。しかし、徐々に泉大津の監督の人選や選手の起用に不満を持つようになった。それと、同時に、試合の帰りの両親のサッカーについての話を、芯のないものだと感じるようになった。そして、泉大津より資金でも過去の戦績でも人気でも下の琵琶湖に魅力を感じるようになった。
 応援するサッカークラブのことを書いているが、視点を変えると子の自立の様子が見えてくる。
  親が大切にしている事柄に、子が疑問を感じる。さらに、親が価値を認めない事柄に、子は魅力を感じる。そうやって、子は自立していくのであろう。
 圭太の良さは、自分が応援したいと思った琵琶湖の試合を観に行くために、アルバイトを始めたことだと思う。また、そのことを親に素直に言えなかったのは、無理のないことだ。
 圭太が、このように両親のサッカーへの態度に疑問を感じ、自分なりのものを探し出すことができたのは、ここまでの若松家の子育てが、良かったことの証拠でもあると思う。