感想その3
 圭太が母に秘密を持つようになって、供子はすごく心配した。心配し過ぎ、干渉し過ぎると、母と息子の関係は壊れただろう。圭太と供子は、そうならなかった。その原因は、父仁志の動きにもあった。また、母が息子のことを信頼していたことが大切だったと思う。
 もう一つ注目できることがあった。供子は、自分の子どもの心配よりも泉大津の選手フナのことをもっと心配していた。これは、母といえども自分の子どものことだけにかまけていてはいけないということだ。供子は、家族以外に関心を持てる対象をもっていた。それが、スムーズな子離れにつながったと感じた。
 供子は、圭太が家族でのサッカー観戦から離れていったことが分かっても、それほど悲しまなかった。また、圭太が応援するクラブへ乗り換えようとも思わなかった。そして、圭太とは距離を置きながら、琵琶湖トルメンタスに感謝していた。
 母の息子離れが、すごくよいタイミングでできている。圭太はまだまだ親元にいるであろう。だが、応援するクラブは別々ということを通して、成長していく息子を、母が受け入れている。
 供子には、夫とも息子とも違うサッカーの応援への思いがあった。これが、役に立ったと思う。