感想その4
 父仁志は、圭太の細かな変化には気付かなかった。供子から、圭太の変化について相談された時もはっきりとした意見を言えなかった。だが、母供子とは違う角度から息子を見ていた。
 仁志は、圭太とサッカーチームについて話し合っている様子はなかった。だが、圭太が応援するクラブについては調べていてよく知っていたし、最終節には琵琶湖のホームへ夫婦で行く手配をしていた。
 仁志は、家族にサービスをする気はない。家族と一緒にサッカー観戦しても、自分なりの楽しみ方をしている。
 供子は、仁志に不満はないが、家族のリーダーとは思っていない。それは、二人の子どもも同じだ。
 これが、今の家庭に求められる父親のひとつの姿だと思う。家族の中心は、母と子だ。父は、母子に沿って行動する。その位置にいることが、母子の関係が煮詰まった時には、平静な観点から、父としてアプローチできるのだと思う。
 母の役目、父の役目という固定されたものはない。両親の考えを一つにして、子どもに向かうのでもない。両親は、それぞれの持ち味を生かして、子育てするのが今は必要だと感じた。