朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第98回2017/4/11

 物語のたくさんの要素が詰まっている回だ。
①弁天の話から、喜久雄の春江への今の態度が分かる。
②徳次と弁天に、北海道行きの話が出てきた。
③春江の容姿が描かれた。
 どの事柄もおもしろいが、③が特におもしろい。夜の女のよそおいとはいえ、春江のきれいさは並大抵ではない。春江と喜久雄が並べば、人目を引くことは間違いない。
 人の外見は、その人の価値を決める要素になる。特に美しい顔は、その人の人生を左右する。そして、美しい容姿は、幸福に結び付くばかりではない。
 若い喜久雄と春江の美しさは、今後の二人にどう影響するのだろうか。