朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第111回2017/4/24

 竹野の言葉に注目した。

「歌舞伎なんて、ただの世襲だろ? 今は一緒に並べてもらってても、最後に悔しい思いして人生終わるのアンタだぞ」
 

 歌舞伎に門外漢の私にしてみれば、この言葉が正しいと思える。喜久雄は、俊介と自分との違いに無頓着過ぎる。

 徳次と弁天は、殴り合うことで仲間になった。さて、竹野と喜久雄は?