朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第128回2017/5/12

 徳次は、威勢の割にはそれほど喧嘩が強いわけではない。しかし、人好きのする所がある。それに、今回のドキュメンタリー映画への意図せぬ出演の様子から、役者には向いていそうだ。また、少なくとも極道や金儲けよりは芸能に関係のある世界の方が合っていると思う。
 また、共に騙された弁天も口はうまそうで、この二人は今後も良き相棒かもしれない。
 ドキュメンタリー映画の監督が、喜久雄と俊介をスターにした興行会社「三友」出身というのも、縁に繋がりそうだ。