朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第回2017/5/18

 喜久雄は、ある日突然人気役者になったと言える。芸の稽古は、人の何倍もやってきたが、芸能界のことを何も知らずに人気者になった、という設定だった。
 その喜久雄だが、徳次や弁天と一緒にテレビの収録に付いて来て、ベテランの師匠が若いディレクターの言いなりになる現場を目撃している。また、徳次と一緒にいる時間が長いようだから、映画界のことも芸人横丁の売れない芸人のことも見聞きしている。これは、喜久雄にとって芸人と芸能界の裏表を学ぶ機会になっていると思う。
 その喜久雄にとんでもないニュースが飛び込んできた。半二郎の事故の時に、喜久雄だけが邸にいなっかったということから何かが起こるのか?