朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第145回2017/5/29
 
 ある意味では、初日の舞台よりも厳しいのがこの立ち稽古なのであろう。喜久雄の必死さはもちろん、俊介の緊張、関係者の不安が伝わってくる。
 さて、この後が、半二郎が𠮟責した「(略)舞台でちゃんと生きてへんから、死ねへんねん!」の場に入るのか?