朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第175回2017/6/29

 辻村を対象に、襲名激励会と新年会の類似172回感想を連想した。 類似の対象は辻村ではなく、喜久雄の父であった。権五郎は実の父で、半二郎は今や実の父に勝る存在だ。喜久雄は、二人の父を失うのか。

 二代目半二郎は、糖尿の気があったとある。糖尿から緑内障が悪化し、さらに、襲名を機に宴席も続いたし無理を重ねていたであろう。そうならば、この吐血は、深刻だ。命を取り留めたとしても今までのように舞台に立つことは考えづらい。
 また、襲名披露の会場へさえ姿を現していない俊介も、父のこの状態を見過ごすことはできないに違いない。