朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第198回2017/7/723

 前回に続き、またまた先読みが外れた。前回の感想に、「金銭感覚が全くないと描かれている喜久雄には、この問題は解決できないであろう。」と書いた。今回を読み、逆の感想を持った。
 金の苦労を痛いほどしてきた徳次の心配に共感できない。無謀な喜久雄の借金の相続に頼もしさを感じる。
 なぜか、語り手も喜久雄の借金申し込みを誇らしげに語っているように読める。
 喜久雄は、純粋で、恩義を感じた人のためならなんでもする人だと強く感じる。