それでも、万菊や吾妻千五郎など、江戸歌舞伎の名優たちと同じ舞台に立てると思えば、どんな端役でも誰よりもその役を研究し、稽古に励んできたのでございます。

 
喜久雄は、初舞台を踏む前、役者になれるかなれないかも分からぬうちから、白虎(当時の半二郎)の厳しい稽古に耐えてきた。耐えるどころか、何かに憑かれたように、一人で稽古を続けることもあった。
 花井東一郎になる前の稽古と、不遇な今の研究と稽古が、三代目半二郎としての芸に磨きをかけていると、感じる。