朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第217回2017/8/11

 第二章第三章に出てきた体育教師尾崎と、この清田監督が重なってくる。尾崎は、終始喜久雄に辛く当たった。思い返してみると、尾崎は喜久雄の素質と人柄を見抜いていたから、あのようにしたのだと感じる。
 清田監督は、何か思う所あって、喜久雄に役をつけた。撮影に入ってからの喜久雄に対する折檻は、誰が見ても理不尽なものだ。これは、何か裏がある。
 一流の歌舞伎役者は、監督も演出家も兼ねた働きができる人だと聞く。その辺に何か関係があるのか?