朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第267回2017/10/1

 同じ藤川教授が、喜久雄と俊介の『娘道成寺』を観た時には、次のように言っていた。
「(略)一瞬、自分が江戸時代にいるのかと錯覚したくらいですよ」(109回)109回感想
 さらに、喜久雄と俊介の南座出演が決まった時には、NHKの全国放送で次のように言った。
「スタア誕生の瞬間というものを目の当たりにしたければ、今月の南座にいらっしゃればよいのですよ。」(120回)120回感想

 それに比べると、今回の劇評は、ずいぶんと違う。
(略)あの万菊に食らいついて舞台に立っている半弥が、次世代を担う歌舞伎役者たちの一群から、頭一つ抜けたことは間違いがない。(266回)

 
俊介が言っている『こんなもん褒められたうちに入るかいな』の言葉通りだと思う。