マツは、喜久雄の実母千代子を懸命に世話した。あらすじ 第二章
 幸子は、俊介が姿を隠しているのに、喜久雄の子を生む市駒の世話をした。あらすじ 第七章
  
 マツは、恨まれてもしかたのない千代子に尽くした。幸子は、憎しみを感じている喜久雄のために市駒の世話をして、喜久雄の子が無事に生まれるように尽力した。
 この二人に重なるものを感じる。
 
 前回の感想では、幸子の直感が当たっていると思ったが、別の考えも出て来る。
 松野なる爺さんは、春江だけにかかわる人物かもしれない。

 俊介と春江の家出の間のことは、水上温泉のホテルで働いていたことと、旅回りの一座にいたことしか出て来ていない。
 それ以上に、小説最初からの登場人物である春江の素性が、今まで全く語られていない。