朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第271回2017/10/5 

その1
 女子大生、牛乳だけの朝食、庭でゴルフスイング、「ママ」、ようやく昭和を代表するような家族が登場した。そうそう、昭和の私たちは、国立大学の学歴を最高の価値と感じていた。
 同じ時代で、同じ歌舞伎役者の家なのに、喜久雄と彰子は、違う世界に住んでいる。
 不遇で、しかも美しい歌舞伎役者に、若い彰子が惹かれるのは恋愛の常道と思う。

その2(予想)
 竹野が企画したテレビのドキュメンタリーは、高い視聴率をたたき出し、俊介は引っ張りだこになる。おかげで、万菊との舞台も、劇評など関係なく人気が沸騰する。

その3(予想)
 テレビの俊介復活劇のせいで、喜久雄はますます悪役扱いされる。さらに、彰子とのことが、写真誌にすっぱ抜かれる。そのことは、千五郎の怒りをかい、喜久雄は江戸歌舞伎の舞台から完全に干される。

 作者は、読者をこういう風な予測へ誘っているようだ。
 ということは、‥‥