朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第288回2017/10/23

その一
 春江は、男の我がままと弱さをすべて受け入れる女なのだろうか。少なくとも、自分本位の行動や、男に甘えることをしないのは確かだ。
 俊介と二人きりでいながら、喜久雄も一緒にいるような春江の感覚とは何を意味するのだろうか。


その二
俊ぼんがどんくらい春ちゃんに甘えとったか、簡単に想像つくわ。

「俺な、なるべく全部自分でやってみたいねん」

 この相反することが、どう結びつくのか。