朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第293回2017/10/28

その一
 第七章で書かれていた同時襲名の時期と、俊介の子が生まれた時期は、重ならなかった。

その二
二代目半二郎の俊介への思い
①自分の代役に喜久雄を指名した理由は、全く語られていない。
②俊介が出奔した時は、あいつは逃げ出しただけだ、と探そうともしなかった。
③死に際に、駆け付けた喜久雄の前で、俊介の名を呼んだ。
 ③からは、言葉とは裏腹に我が子俊介のことを思い続けていたと受け取れるのだが、それがどうして今回のような反応になるのか?

その三
 二代目半二郎とて、幸子と同じように、俊介の子のことは大切なはずだ。孫というだけでなく、丹波屋の跡取りという意識は強烈なはずだ。それが、今回のような反応になるのはなぜか?
①俊介には、跡継ぎの力量がまだないと、考えているのか?
②春江が母であるので、豊生を受け入れられないのか?