朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第295回2017/10/30

 俊介と喜久雄の違い、差がはっきりと示された。
 喜久雄が、芸へ向かう「性根」で俊介に勝っていたのだ。それを誰よりも見抜いていたのが、二代目半二郎だった。
 
 二代目半二郎と喜久雄の特殊な縁を考えてしまうが、二代目半二郎には人の縁もよりも血縁よりも大切なものがあったのだ。それが、今回ではっきりとした。

 この君鶴という芸妓は、俊介に特別な思いを持っている。