(略)豊生を失ったあと数年におよぶ荒みきった生活が待っているのでございます。(298回)

 俊介の「荒みきった生活」と、芸術選奨受賞とは、運命の幸不幸だ。
 どのようなことが、この「数年」にあったのか。さらに、旅役者となっての苦労もあるに違いない。それに、松野という男のこともまだ明らかになっていない。

 故郷を追われるように大阪に出てきた喜久雄の役者修行の日々と、二代目半二郎に認められ三代目半二郎を襲名したことは、喜久雄にとっての幸不幸だ。
 喜久雄は、白虎が亡くなってから辛苦を味わっている。喜久雄にとっての、運命の転機は、まだまだ先か。それとも、俊介の受賞は、喜久雄にとっても転機となるのか。