朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第301回2017/11/5

 第十二章 反魂香が、俊介と喜久雄が役者として、共に並び立っていることを感じさせて終わった。二人は、舞台に立つ限り、白虎の眼差しを感じ続けると思う。

 復活した俊介の芸には、丹波屋の血筋が継がれ、さらに旅芸人の経験と文献から得た古典歌舞伎の素養が生かされているのであろう。
 喜久雄が、白虎と今の歌舞伎の名優から学んだことに、何を加えているのか、興味が増す。