朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第307回2017/11/11

 広域暴力団のトップとつながりがあると、取り上げられれば、隠し子がいたなどというスキャンダルとは比べものにならない騒ぎになるだろう。
 徳次の言うことが正しい。

 徳次の日常はきっとだらしがないだろう。仕事より遊び優先だろうし、酒は飲むし、金があればあるだけ使うだろう。礼儀を知らないし、常識もない。
 その徳次が、彰子の件では喜久雄を殴った。今回も人気沸騰の喜久雄に正面から意見している。
 人としての性根が違う。エライ人をものともしない。その点では、弁天と同じだ。歌舞伎の芸の良し悪しが分かる。シャガールの天井画に心から酔いしれている。
 
 徳次、いいなあ。