朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第312回2017/11/17

 徳次の動きが小気味いい。こういう動きをして、読者に無理を感じさせない作者の人物づくりが見事だ。

 綾乃を救い出し、病院へ行き、家へ連れ戻ったとしても、綾乃の問題は解決しないだろう。徳次が説得するだろうか、喜久雄が出て来るだろうか。
 話し合いや説得ではなく、綾乃自身とタカシという暴走族の男の行動がまだあると思う。