朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第330回2017/12/5

 読者としても、懐かしさに浸ってしまう。
 幸子の言葉が、そのまま再現された。この場面とこの台詞は、物語中の名場面、名台詞の一つだ。
 焼き鳥と冷酒というのもいいし、二人のやりとりもいい。
 だが、この時代に歌舞伎の古典というのは、どれだけ受け入れられるだろうか、疑問だ。