朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第334回2017/12/9

 小説中で年代がはっきりと出てきたか所を、記憶を頼りに書き出してみる。

昭和39(1964)年
元旦。 喜久雄と徳次は、新年会の余興で「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」を踊る。その踊りを花井半二郎が観る。立花権五郎は、新年会に襲われ、裏切り者の辻村に拳銃で撃たれて三日後に死ぬ。

昭和40(1965)年 東京オリンピック開催
1月末。喜久雄は、学校に講話に来た宮地を襲うが、失敗する。
その後、喜久雄と徳次は、大阪の花井半二郎の家へ。更に、数か月後、春江が大阪へ。半二郎は、息子俊介と喜久雄に女形の才能を見出し、二人に厳しい稽古を付ける。

昭和42(1967)年 喜久雄17歳

京都南座で端役ながら喜久雄が初舞台を踏む。

昭和50(1975)年7月18日

白虎の葬儀告別式

昭和61(1986)年12月
喜久雄と俊介共演の『源氏物語』の初演。

昭和61(1986)年12月~平成3(1991)年2月

バブル景気の時期

平成2(1990)年
新帝祝賀の舞台で喜久雄と俊介が『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』を演じ、スタンディングオベーションを受ける。
 
 喜久雄と俊介の人気が衰えず、私生活面も充実しているのが、バブル景気の時期と重なっている。それならば、バブル(「泡の場」?)がはじけると‥‥