朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第336回2017/12/12

 厳しい稽古を重ねても、いい役がつかないことにはどうにもならない。いい役がついても、その役を完璧にこなさなくてはならない。いい役を完璧にやり遂げても、それが人気を得なければならない。
 いい役をやり遂げて、観客を魅了しても、次の舞台と次の役では、よりいいものに挑まなければならないのであろう。
 
 喜久雄と俊介、息の合った二人がそれぞれの個性を十分に発揮している舞台を観ることができた。
 そして、『二人道成寺』の共演から『春興鏡獅子』の共演までの間の、二人それぞれに起こった出来事が思い起こされる。