朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第337回2017/12/13

 喜久雄の役者としての活躍ぶりは、今までで最も華やかだ。それに、徳次も彼の得意とするところがよく出ている。
 それなのに、今回冒頭では、幕を下ろして誰もいなくなった劇場の重苦しさが書かれている。
 また、今回の末尾では、「彰子」の登場の時を思わせるような言葉とともに「本職ピアノ教師の女」が登場した。