朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第344回2017/12/20

 喜久雄と俊介は、役者としてどんな高みにたどり着き、どんな舞台を見せてくれるのであろうか、楽しみだ。
 次の役に取り組む俊介の動きをみると、歌舞伎役者が役者だけでないことがよく分かる。監督、演出を兼ねる。さらに、原作、旧作を大幅に変えるので、脚本も俊介が創っているに等しい。これは、喜久雄も同じである。それだけに、歌舞伎のある演目の良し悪しは全て、主役の力量にかかっていると言えよう。