朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第44回2017/11/24第8話 また夜が明けるまで⑤

あらすじ
 観光の途中の会話で、広瀬先生が、「付き合っている人と一緒にモルゲン土佐を応援しているのだが、その彼が仕事で最終節を観に来れなくなった」と、忍に話す。
 広瀬文子は、遠藤忍さんをひろめ市場に案内する。ひろめ市場で、二人は立ち食いのテーブルでそれぞれ好きなものを買って来て食べる。文子と忍は、初対面ながらだんだんに気安く感じ合うようになって来る。
 おととい、文子は、受け持っている不登校の生徒の家に行って、説得をしようとするが、その生徒に反論された。文子は、不登校の生徒、棚野百合に、「自分を大事にしてほしい。それをおこがましく感じるなら、何か別のものを大事にしてほしい」と話した。棚野は、「先生やったら何?サッカー?」と冷たく言った。

感想
 広瀬文子先生は、不振のモルゲン土佐のことが心配なだけではなかった。受け持っている不登校の生徒に、不振の地元チームを応援していることを理解されなかったこともわだかまりになっているのであろう。
 応援する対象、大事に思う何かが存在するということは大切なことだ。だが、自分が応援する、大事に思う対象のことを、興味のない人に理解してもらうのは求める方が無理だという気もする。