朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第353回2017/12/29

 「第十四章 泡の場」の後半と「第十五章 韃靼の夢」で、新しい人物が登場した。
西嶋  ・俊介の後援者 ・全国展開の居酒屋チェーンの社長 ・祇園でも遊び慣れている
伊藤京之介 ・人気二枚目の立役歌舞伎役者 ・喜久雄より七つ年長 ・吾妻千五郎と並んで江戸歌舞伎の双璧をなす伊藤京四郎の長男
矢口建設の若社長 ・五十半ば ・徹底的に帝王学を叩きこまれた粋な旦那衆の一人
矢口建設の若社長の妻 ・楚々として華やかな容姿 ・京之介贔屓
 それに、一瞬登場した、銀座のホステスで本職ピアノ教師の女(337回)というのも気になる。

 年季の入った歌舞伎の贔屓筋で、しかも大金持ちの人たちだ。喜久雄に無理を言ったような地方の名士や辻村とは全く違う種類の人たちだろう。でも、だからと言って、俊介や喜久雄に益をもたらすばかりではないと思う。