朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第366回2018/1/12

 いろいろなことが一気に示された。
①綾乃は、俊介の家にいて、すっかり立ち直っている。
②徳次が読者家ということが初めて知らされた。
③俊介の襲名の準備が着々と進んでいる。

 一方で、疑問も出て来る。
①徳次の中国行きを、俊介、春江、綾乃は知っているのか?
②源吉の幹部昇進は実現するのか?
③大学進学を言い出した一豊は、父と同時襲名するのか?また、一豊は役者としての素質があるのか?
④喜久雄は、俊介が『曽根崎心中』を演じることをどう思うか?
 喜久雄の周辺では、徳次の今後が気になる。俊介の周囲では、父である松崎のことと絡んで春江の動きが気がかりだ。