朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第46回 第8話 また夜が明けるまで⑦最終話 2017/12/8

あらすじ
 試合は後半に入り、浜松がフリーキックを得て、一点入る。試合終了直前、土佐が得点し、同点となる。この時は、スタジアム全体が揺れるような大歓声が上がる。その数十秒後、浜松がさらに得点し、浜松の勝利で試合が終わる。
 他会場の結果から、ヴェーレ浜松の一部への自動昇格が決まり、逆にモルゲン土佐は、三部降格が決まる。
 土佐が負けたのに、文子は、周りのサポーターに比べ、自分が意外にも平気であることに驚く。文子は、忍に「昇格おめでとう」と言う。さらに、忍を空港に送ると言う。その時になって、自分が泣いていることに気づく。
 忍は、泣いている文子の肩をつかみ、また一緒にサッカーを観ましょう、と言う。
 駐車場で、文子に電話が入る。電話は、文子が受け持っている不登校の生徒、棚野からだった。棚野は、文子に、残念だったね、でもいい試合だった、と言う。そして、親に思い知らせるためにおもしろいことは何もないという態度をとるのはもう疲れた、と言う。
 文子は後悔していたが、家庭訪問で、モルゲン土佐のことを話した気持ちは棚野にちゃんと伝わっていた。

感想
 応援の効果を信じられなかった忍は、考えを変えるだろう。応援しても、結果が出なければ何にもならないと思っていた文子も変わると思う。
 応援しても、結果が出なければ、応援したこと自体を否定することは往々にしてある。応援したチームが負けると暴れるようなサポーターはそういう考え方なのだろう。
 応援する心は、たとえ、それが実らなくても自分と周りを明るくすると感じた。