NHKテレビ 高麗屋 三代の春 ~襲名・松本幸四郎家 歌舞伎に生きる

 この番組を見て、驚いた。連載小説『国宝』で描かれている襲名への取り組みが、そのままドキュメンタリーになっていた。と言うよりは、事実を小説が忠実に描いているということだ。
 私には、職業とは一定時間働いて収入を得るためのもの、という概念が染みついているし、自分もそうして来た。
 ところが、自分の仕事、歌舞伎役者としての仕事にすべてをかける人が現実にいる、ことを改めて知らされた。
 映画やテレビとは違う場所で、伝統としての芸能を受け継いで来た役者が、昭和も平成も生き続け、支持を受け続けている。テレビやインターネットを通して楽しむ娯楽は、芸能の受け取り方の一部分に過ぎないのだ。
 
 新聞(朝日新聞2018/1/10 文化・文芸)記事に北島三郎の言葉として書かれていた。

 日本は戦争に負けて以降、苦しい時代、貧しい時代が続いた。そんな中で人々は海に出て漁をし、畑で作物を耕して‥‥。そうやって山坂乗り越えてきた。
 演歌は傷ついた人々や、それぞれの故郷で踏ん張っている人々の心を癒して励ましてきた。米国のジャズ、フランスのシャンソンのようにね。

 
演歌も、生の舞台が本当の舞台なのだ。