朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第354回2018/1/30

 広がっていたストーリーの小川が、徐々に合流して、川のようになって来た。伊藤京之助、胡弓の稽古などが、繋がって来る。

(略)良く言えば、役者としても、男としても、父親としても、まさに脂が乗り切った絶頂期なのですが、(略)

 この時期が喜久雄の絶頂期だとしたら、この後は下降期になるのであろうか。確かに、体力と美貌はどうあがいても、年齢には勝てない。しかも、万菊は、喜久雄のきれいな顔が、女形の邪魔になると言い切っていた。94回感想
 万菊の言ったことが当たるとすれば、喜久雄はそれをどう乗り越えるのか、新たな興味が湧く。