朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第393回2018/2/9

 喜久雄、俊介、徳次は、昭和二十三~二十五年生まれの設定なので、団塊の世代に入るだろう。昭和生まれながら一豊と綾乃は、団塊の世代の子の世代になる。
 綾乃の妊娠を知らされ、彰子に「おじちゃんだ」と言われた時に、喜久雄は、「まだ四十六だぞ」(383回)と答えていた。そうなると、小説の今は、平成八(1996)年前後ということになるだろう。この時に一豊が二十歳とすれば、昭和五十(1975)年生まれであろう。
 今回の喜久雄と一豊のやりとりのように、同じ昭和生まれでも、昭和二十年代生まれと、昭和五十年代生まれの間には、これだけの溝がある。